脱線事故を起こした会社とその報道姿勢
各局、福知山線脱線事故のニュースで忙しい。
昨晩の報道ステーションなんか、天気予報もやらずにこのニュースのみをずっと報道していた。
私も各局をチャンネルガチャガチャして、かなりこのニュースを見たつもりだ。
まあ、どの局も同じだわ。
同じ「識者」がいろいろな局に出演している。
そこで、あくまでも現在、4月26日午後7:00の段階での感想なのだが。
現在のメインの論点として、「オーバーランの虚偽報告」が話題となっている。
事故現場の前の伊丹駅で車両がオーバーランをして、引きかえした件が事故の前兆であるように報道されている。
それによって1分半くらい電車が遅れたので、運転士はそれを取り戻そうとして、通常よりもかなりスピードを出したという。
識者の意見では、スピードのみで脱線することは考えにくいが、それと他のなにかの要因(置石?)が重なってあのような大きな事故が起こった可能性は否定できないという。
運転士が若干11ヶ月のキャリアであった件、過去に3回ほど処分を受けた件などが取り沙汰され、本当に運転士としての適性がある人物なのか、という点も論点となっている。
今日の朝日夕刊によると、JR西日本いわく「虚偽報告や事故隠蔽は乗務員にあってはならない。大きな問題だ。なぜこんなことをしたのか不信だ」と話しているらしい。
産経朝刊の見出しも、「問われる運転士の資質」みたいなものであった。
23歳の運転士は現段階で、まだ車両に閉じ込められたまま。
生死はわからない。
本当にそうなのか?
23歳、新人、過去に処分歴あり。
よって、不審な行動をとった本人が悪い。
JR西日本はむしろ被害者で、大変遺憾に感じている。
こんな言い訳が通用するのか?
まだ救助されていない運転士本人は、いまのところ欠席裁判状態。
マスコミの報道も、運転士の安否についての思いやりみたいなものは感じられない。
JR西日本の対応が問題だと思うのだ。
「新米」である従業員に、すべての罪をかぶせようとするかのような、謝罪姿勢。
朝日夕刊にあるようなコメントが本当ならば。
年が若いから信頼ならないような。
新米だからいけなかったような。
過去に処分歴があるから、「良い運転手」ではなかったような。
このような言い訳をする企業を信頼してはいけない。
年齢や運転歴を問題とするのは論外。
処分歴があろうと、それは個人の責任ではない。
処分をした結果、運転士に復帰させたのであれば、その時点で会社は「適格」と判断したわけだ。
人の生命を預かる仕事であれば、それなりの「会社としてのしくみ」が存在して当然だ。
当人の能力や意欲が足りなかったからいけないのだという論点は通用しない。
ましてや窮地に陥った際に、いまだ安否のわからない従業員に罪をかぶせるような、そういう了見の会社は信用できない。
このような会社は、たとえば50歳のベテランで、過去に処分歴のない運転士が今回のような事件に巻き込まれた場合、「ベテラン」「処分歴なし」を理由として、自社に間違いがなかったことを言い訳するに決まっている。
そのあたりを突っつかずに、素直にJRの言うとおりに報道を展開しているテレビ局や新聞社にも不信感はぬぐえない。
運転士の方、無事に救出されてほしい。
その人だって、少なくとも現時点では被害者であり、尊い生命であるには違いないのだから。
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30031/3868749
Listed below are links to weblogs that reference 脱線事故を起こした会社とその報道姿勢:
» 脱線事故に思う(ちょっと日が経っていますが) [KAZMAZDA]
大変な事故が起きてしまいました。亡くなられた方の中には、以前同じ事業所で働いた方 [Read More]
Tracked on Apr 30, 2005 at 06:32 PM
» 狂気の労務管理と無責任会社幹部が真の原因かもしれないな。 [雑談日記 (徒然なるままに、、。)]
末尾でご紹介したニュース記事で注目したのは下記箇所「1秒単位で電車の遅延状況を [Read More]
Tracked on May 03, 2005 at 10:34 AM
» 「マスコミ批評」のカテゴリーを作りましょう。 [雑談日記 (徒然なるままに、、。)]
インターネットで個人が情報発信できるようになり、またブログが新たな情報発信の媒 [Read More]
Tracked on May 03, 2005 at 10:37 AM

Comments
ニュースを見るたびに死者の数が増えていくことに暗澹たる想いになります。
1分半の遅れを取り戻すためにスピードを出しすぎたのか、原因は明らかではありませんが
「安全」という価値判断が最優先の公共機関で「時間」が優先されたことを残念に思います。
企業が「業績」を優先するあまり「不正」を行うことのないよう心したいと思いました。
Posted by: 菊地 敏夫 | Apr 27, 2005 at 01:13 PM