もともと宮崎被告の死刑判決や阪神淡路大震災などニュース満載の日に設定された上に突然のライブドア家宅捜索と、いかにして目立たせなくするかの工夫の上行われた昨日の小嶋社長の証人喚問。
例によって、今朝のマスコミ報道をチェックしてみる。
焦点は、安倍官房長官の秘書が小嶋社長と会った点をどう報道するか。
これ、本当ならばかなりの大事件だよ。
なにしろ、次期総理と言われている大物中の大物政治家。
伊藤公介とかの比じゃない。
当然に、マスコミは大騒ぎになるはず、と。
ちなみにテレビはすでに安倍報道を肥大化させないために最大限の努力をしている。
耐震偽装問題の報道に積極的なTBSには、昨日の証人喚問後の夕方の報道番組、今朝の「みのもんたの朝ズバ」とも喚問にたった自民党議員が送り込まれ、過激な批判発言が事前規制されたようだ。
テレビ朝日の「やじうまプラス」「スーパーモーニング」では、コメンテーターの出色発言はいくつか見られたが、いつもわりと「テレビ朝日らしい」発言をする元政治記者、テレビ朝日コメンテーターの三反園さんがえらくおとなしかった。
苦笑いをしながら毒にも薬にもならないようなコメント、翻訳すれば、「安倍さんを追及するのはやめましょうよ」と言うような内容の発言をした。
テレビ各局はしっかり自民党に規制されたな。
比較的過激発言をできるのは、しがらみのない一部のコメンテーターだけのようで、テレビ局社員は非常におとなしい。
まあ、テレビはこんなところでしょう。
ノーカットで証人喚問を全部放送したNHKはエラい。
で、新聞だ。
例によって、家でとってる東京新聞に加え、朝日・読売・産経・毎日の4紙を買ってきて5紙を比較。
今回の比較項目は、1面での扱い、社説、証人喚問のやりとり(セリフ)、独自記事、自民党のどたばた、証人喚問記事の占有率だ。
この6項目を5段階評価する。
最高点は30点だ。
●1面での扱い
ライブドアにトップを奪われ、証人喚問は良くて2番目。
掲載順や字の大きさ、どんな題名をつけたか、など、一見した印象や目立ち具合を見る。
表題が比較的大きいのは産経と毎日。
内容は安倍氏一色の毎日に対して産経では安倍氏以外に日本住宅建設産業協会や石原氏の名前、さらにヒューザーが集金をした森派のパーティの件などうまくまとめている。
朝日、読売、東京は表題が小さく目立たない。
ただ、内容を読むと東京は安倍さんの件が議員会館で行われたとか森派パーティの集金をヒューザーが行っていた件、伊藤信太郎・阿南一成の名があがった点などをコンパクトに述べている。
朝日も一応安倍さんのことを中心に書いてあるが、表題は「核心の証言拒む」が一番大きくそのあとに小さく「安倍氏秘書に相談」とある点、消極的な印象だ。
だが、読売に至っては「証言拒否、ヒューザー社長連発」という題のみで、記事の内容でも一面では安倍さんの件に触れてさえいない。
評価は、産経が5、毎日が4、東京が3、朝日が2、読売が1。
●社説
一番辛らつなのは毎日。
証人喚問のやり方を批判していて自民党の姿勢にも言及している。
次が東京と産経。
東京は追求の甘さと、森派とヒューザーの親密さを例を挙げて批判している。
産経も追求の甘さを批判し、政治家の関与に関してもっと究明すべきと意見している。
朝日は住民補償がメインテーマとなっており、森派との親密さにも言及しているけれど、微妙に焦点を伊藤公介に絞込み、安倍さんからずらしている。
読売は証言拒否と政治家の関与にも触れているが、結論が良くない。
「証人喚問にも限界がある。捜査当局による徹底解明を待つしかない」
と結び、自民党と同意見、というか自民党そのもののようだ。
評価は、毎日が5、東京と産経が4、朝日が2、読売が1だ。
●証人喚問のセリフ
宮崎判決と同じ日だったので、1ページ全体を割いている新聞はなかったが、一番良かったのは産経。
実際の言葉に忠実に掲載され、質問に立った全議員の分を掲載している。
次が東京と毎日。
こちらも全議員の分を掲載し、半ページを使うなど、量的には産経と同じ。
ただ、独自にまとめてしまってあり、言葉のニュアンスみたいなものが殺されている。
ダメなのは朝日。
前回の証人喚問の記録には自民党の質問しか載せなかった朝日だが、今回は少し改善され野党の分も載っている。
ただし今度は公明、共産、国民を省略し、ボリューム的にもどうでもよさそーな小さなメモだ。
少し改善されたとは言え、ダメダメだ。
しかしもっとダメなのは読売。
なんと、証人喚問のセリフ自体の掲載を省略。
3回くらい全ページをめくって確認したが、やりとりは載せられていなかった。
当然ながら評価は産経が5、毎日と東京が4、朝日が2で、読売は1(本当はゼロにしたかったが)。
●3面、社会面などの独自記事
社会面の記事は事実描写が多く、どの新聞も似たり寄ったりになりがちだが良かったのは産経と東京。
産経は長妻議員の指摘したヒューザーのペーパー会社「エーピーアール」に言及、東京は他紙がやってなかった伊藤信太郎議員のコメントをとっている。
朝日、毎日、読売はどれも月並みで量も不足気味。
3面(総合面)で取り上げていたのは読売と東京だけで他はライブドアに持っていかれてしまった。
東京の分析がよく、献金リストや伊藤公介の在職25周年表彰に野党が待ったをかけている点などが新鮮。
読売は小嶋社長の生い立ちや耐震強度偽装問題の経過、政界人脈などだが初歩的(?)な内容が多く、新たな発見という点では今ひとつ。
それでも総合面で分析したこの2紙はエライ。
評価は東京が5、読売が4、産経が3、毎日が2、朝日が1。
なぜ朝日が1になったかというと、民主の鳩山幹事長の発言に関する文章表現に悪意が感じられたからだ。
今回の証人喚問の民主議員の追及を鳩山幹事長が褒めた。
産経は「称賛した」って普通に表現してるのに朝日は「民主、自画自賛」と書いた。
私の感覚では、「自画自賛」という言葉は、「自己満足」のような感じであまり良いイメージではない。
朝日はこのように、わざとネガティブな表現を使って間接的にキライなものをけなす傾向がある。
●自民党のどたばた
もっとも秀逸だったのは東京と、意外なことに産経・読売。
東京は自民党は証人喚問を通過儀礼にするつもりだったのに裏目に出たことや、「偽装問題ごときに拘ってるようでは政権はとれない」と民主党をけん制してたこと、「でも世論もあるし」という本音など、記事自体おもしろい。
産経は、ヒューザー、ホリエモン両方で自民が打撃を受けていることを大きく取り扱っている。
そして、その記事の隣に「笑ってる場合?」という表題で小泉チルドレンの開催した「全国自慢物産展」に出席する首相の写真を載せた。
非常にエスプリが効いており、スマートに批判している。
読売もおもしろい。
自民党内で、安倍さんを守るために伊藤公介が捨てられそうになってる記事を紹介。
さすが自民党の機関紙的な読売だけあって、自民党の内部事情に詳しいんだろうか。
毎日は、ところどころに皮肉がちりばめてあるのだけどまとまった記事がないのが残念。
ただ、ホリエモン出馬の打診に関して「自民は公認しようとしたけど民主党は断った」という民主の皮肉が紹介されている。
これに対して朝日はダメ。
ほんの少しだけ自民のどたばたを紹介しているとは言え、早川議員の質問を「具体的なことを聞いたが」など褒めるような書き方をしている。
評価は東京、産経、読売の3紙が5で毎日が4、朝日は2となりました。
●証人喚問記事の占有率
大小に関係なく証人喚問関連の記事が掲載されたページ数(社説や地方欄は除く)を全ページ数で割って率を求めた。
東京、毎日が17.86%と同率。
産経が12.5%、読売が10%、朝日が7.5%と言う結果に。
評価は東京毎日を4(やはり5をあげるほど掲載数が多いとは言えないので)とし、あとは3、2、1とした。
●総合評価
以上を合計すると、総合得点と寸評はこうなった。
なんと1位は同点で産経と東京。
1位 産経新聞 25点:解説が詳しく情報として役に立つ。知的な印象
1位 東京新聞 25点:突っ込んで記事を書くため、読み応えがある
3位 毎日新聞 23点:意見・編集方針が私好み。たぶん「右」の人はキライでしょう。
4位 読売新聞 14点:解説や情報が少ないし、自民党の広報紙みたい。大味だ。
ビケ 朝日新聞 10点:「左」の皮をかぶった小泉(安倍)応援団で悪質。もっとも思想統制している感じ。
前回に引き続き、朝日新聞がビリを飾る結果となった。
私が朝日に苛立ちを感じるのは、世間一般のイメージとその本質が異なる点だ。
たしかに、中国様なところは世間のイメージ通りなんだけど、内政についてはかなり体制寄り。
正直に社説で意見表明などすれば良いものを、言葉の使い方などで「偏向」するから朝日しか読んでない場合、騙されてしまう危険性が高い。
読売も似た部分はあるのだけど、これはもともと右寄りなのわかってるからそのつもりで読む分、まだ罪は軽い。
とにかく、たくさんの広告を読みたい人以外は「朝日」「読売」は止めた方がいいと思う。
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