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Feb 08, 2006

皇室記事に関する新聞比較

このところすっかり新聞記事比較にハマっておりまして、各新聞がいっせいに報道するような大きなニュースを虎視眈々と待ち受けております(笑)。

そこで、本日は昨日の紀子さまご懐妊記事をめぐり、朝日、読売、産経、毎日、東京の記事を比較してみる。
この報道に関して新聞に期待したいところは、やはりここのところ話題の皇室典範の改正に関する記事。
それも、私のように「女系」の意味がわからず、皇室典範改正に賛成とも反対とも言えずに困っている国民に知恵をつけてほしい。

今まであんまり関心がなく、最近ようやくこれに関する記事を読んで考え始めた私だから、以下の文章の中には不適切な表現が含まれている可能性があるけれど、ご容赦いただきたい。

皇室典範改正に関しての私の意見は、結構保守だ(笑)。
基本的には反対。
正確には時期尚早だと思う。
私みたいに落ちこぼれている国民がいるのに、強引に世論調査をして、女性天皇のことかと間違えて賛成してしまう人が増えて、「国民もみんな支持している」としてほしくない。
こういう調査をするときは「国民は利口」、選挙のマスコミ対策では陰で「国民はバカ」、自民党が大勝したら「国民は利口」、と国民の知識と知能はその時々で利口になったりバカになったりしている。
どんな問題だってそうだけど、とくに日本人の根幹に関わる問題だけに、目くらまし作戦はやめてほしい。

長い日本の歴史と伝統を、1年足らずの議論で簡単に「壊して」しまう点に非常に不安を感じる。
女性天皇・女系天皇推進派には、この不安を解消するような説得力ある説明を求めたいし、どうしても今女系を認めないといけない理由も聞きたい。
歴史と伝統という点では、女性天皇はまあ納得できる。
だが、なぜ「女性天皇」と同時に「女系」までも容認しなければならないのかという点もわかりづらいし、使い古された言葉だけれどもいささか「拙速」に過ぎるのではないかと感じる。
愛子さまの「天皇としての教育」を、今国会で決める理由にするのならば、女性天皇だけを先に認め、女系についてはもっと議論した方が良いのではないか、と思う。

まず、「女系」の意味がわからんのよ。
今朝のテレビ朝日の番組に
「メディアがこんなに何度も説明しているのに、まだ女系もわからない国民がいる」
と叱られちゃった。
ハイ、私です。すみません。

わからない点その1は、一度女系になっちゃったら、もう男系には戻らないのか、それとも戻れるのか、という点だ。
愛子さま(男系女性天皇)が民間男性と結婚した場合、その子は母方が天皇の血筋だから、性別に関わらず女系天皇となる。
ここまでは、メディアはよく説明してくれているので、私にもわかる。
だが、その後がわからないのだ。
その、初の女系天皇が男性天皇だった場合、その女系男性天皇の子どもは女系になるのか、それとも父が天皇の血筋だから男系に戻るのか。
つまり、女系・男系を決めるポイントは、「親」なのか「先祖」なのかってあたりがよくわからないのだ。
ちなみに先代の8名の女性天皇は、いづれも子孫を残していない。

わからない点その2は、女系も認めた場合、皇族がすごく増えるんじゃないかって点だ。
現在は皇族の女性は結婚したら民間人になるが、女系(もしかしたら女性天皇を認めただけの場合もそう?)を認めると、みんな宮家として残ることになり、その配偶者がぞくぞくと皇族入りすることになる。
皇室を守ることは大事だが、皇室を肥大化させることにはならないか。

5紙を読み比べることで、この疑問は解けるだろうと期待して、毎度のごとく駅まで通常とってる東京新聞以外の4紙を買いに行く。

今回の評価ポイントは、トップ記事、社説、独自取材・独自構成の記事、皇室典範関連記事、女系の説明、新聞社の問題意識、皇室記事掲載率(皇室に関する何らかの報道が載っているページ数を全ページ数で割る。今回は社説を載せてる紙と載せてない紙があったので、社説も1ページと数えることにする)。
1項目5点として全7項目、最高点は35点だ。

●トップ記事

詳しいのは読売。写真や系譜もあり、検査の内容や、一部フライング気味の報道(またもやNHK)についても触れている。
常識的な記事でまとめてあるのが東京と毎日だが、毎日は明らかに分量不足で全然新鮮味がない。
東京は秋篠宮さま、紀子さまそれぞれの経歴の説明など超初歩的で、私向きかも。写真も良い写真が使ってあった。
産経は他紙と比べて非常に冷静な報道姿勢。
あくまでも「兆候」であり正式発表ではない点を強調し、気遣いが感じられる。記事内容は簡素。
朝日は皇室典範に関する議論をかなり大きく扱っているが、その内容はそこはかとなく改正派寄りで、改正は良いことのように報じている。
根拠を述べずに一方の主張のみを提示する姿勢は嫌いだからいくら詳しくても高得点はあげない。
(ただし朝日は社会面では反対派の意見を詳しく載せているが)
読売が5、東京が4、産経が3、朝日が2、毎日が1という評価になった。

●社説

読売と東京は社説で扱っていない。
毎日の社説は改正に対する賛否は明らかにせず、拙速な議論をたしなめている。
国民の総意形成が大事と述べている点同感。
産経も同様で、議論は出産まで待つべきとの意見。
今急いで決めてしまうことのデメリットにきちんと触れてあり、説得力がある。
これに対して朝日は男か女かに過度に拘るべきではないというのが主題となっており、皇室典範議論に関しては改正派に優しい記述となっている。一方の主張のみの肩を持つのは朝日新聞の悪い癖だ。
産経と毎日が5、朝日が3、社説に書かなかった読売と東京は1と評価する。

●独自取材・独自構成の記事

今回独自記事がおもしろかったのは朝日。
賛成派の本音がおもしろく書かれている。
事情が変わっても賛成派がすぐには言論を翻せないのは首相のメンツを守るため、みたいな関係者のインタビュー記事がある。
また、秋篠宮さまが東宮さまに遠慮していた件や、紀子さまが前宮内庁長官の発言以降、ときどき通院していた件などは他紙になかった情報だ。
データが詳しいのは産経。
宮内庁長官の会見を細かく載せ、その会見の中で報道が先走った件に苦言を呈している。
また、昨日の予算委員会では民主党の岡田元代表が皇室典範の件に「拙速だ」の意見を述べた。
岡田さんと首相のやりとりを、詳しく載せている点はさすが。
次に良いのが読売で、皇室典範改正問題に関するこれまでの経緯を表にして載せたのは読売だけ。報道の先走りに関する批判がある点も評価できる。
毎日は今回の懐妊は1月半ば位から兆候があって主治医探しをしていた点を報道した点が新しい。
また、「コウノトリ」とあるから、あの新年の歌会のことかと思ったら、ホンモノのコウノトリの巣作りの話だった点がかわいかった。
ただし、3面や社会面では毎日本来の主張が炸裂。文体自体が改正を支持している。
東京は基本的な内容に終始していて皇室典範論議の内容や各党の見解、コウノトリ(歌会の方)の件や長官発言などいずれも他紙とリンクする内容。ただ、「街の声」の中には、「あまり関心がない」人とか「典範改正賛成・反対」の両論、「皇室の女性はかわいそう」という意見などバラエティ豊かな声を拾ってあった。
評価は、産経と朝日が5、読売が4、毎日と東京が2となった。

●皇室典範関連の記事

賛成派の事情や、委員会の最中に初めて一報を聞いた首相の顔など、生き生きと伝えているのは朝日。
さすがジャーナリズム宣言をしただけある(笑)。
賛成派・反対派両方の主張を載せ、かなり詳しく公平だが、微妙に反対派寄りを感じさせているのは読売。
反対派(というよりは時期尚早派)を中心に主張しているのは産経。偏ってると思うが、今回の私の意見と同じなので、私としては満足を感じた。
東京は賛否両論を載せ、議論に影響が出るだろうと書いているが、いかにも初歩的。

問題は毎日新聞だ。
記事に誤りがある。
このニュースの第一報はNHKで、国会中継で民主党の細川議員がライブドアの野口さんは自殺か?という質問をしつこくしたあとに、「次の話題」として国民の安全について質問しかけたときに入った。
テロップが流れた直後、秘書官が首相にメモをもってきて首相がこのニュースを知り、それを知らない細川議員が
「首相(私の話を)聞いてますか?聞いてますか?」
と問いかけた場面はテレビでも放映されている。
ところが毎日新聞は、首相がその事実を知ったとき、ちょうど岡田克也議員が皇室典範について質問している最中だったとしている。
岡田さんは細川さんのあとに質問に立ち、冒頭でこのニュースに触れた。
その時が傑作で、
「秋篠宮紀子さまが」
といったときに、なんと「ノリコさま」と発音したのだ。
すぐに訂正したからテレビがその部分をカットして放映してるのか、あまりにも失礼だからカットしてるのかわからないけど、テレビや報道はこの事実に一切触れていない。
岡田さんが代表だった民主党に選挙で一票を入れた私だけど、この発言はあまりにも恥ずかしかった。
女系がわからない私だって紀子さまの名前は正確に読める。

話が長くなって申し訳ないが、もう一つ、新聞報道の不思議を発見した。
今回、読売と毎日が同じ識者に話を聞いているが、その識者の発言のニュアンスが2紙でかなり違うのだ。
これを全文掲載する。
識者は京都産業大学教授の所功先生。

まず、毎日がこれ。

「女性・女系天皇容認派の所功・京都産業大教授の話 男子が誕生すれば結構だが、将来にわたり確実に男子に恵まれる保証はないから現行の皇室典範を改正しなければならない。ご懐妊中は、紀子さまの体に影響を与えないよう騒然となるような事態は避けねばならないが、制度の検討は進めるべきだ。議論を凍結しないであらゆる角度から検討を続け、1年ぐらいの間に改正法案を成立させるべきだろう。」

次、読売がこれ。

「ご出産まで見守るべきだ:所功京都産業大教授の話 今国会での皇室典範改正案提出は見送り、ご出産までは静かに見守るべきだ。ただし、皇室典範をめぐる議論を凍結するのではなく、いろいろな角度から検討を重ねておき、ご出産後に法案を提出するのがいい。男系優位には賛成だが、長期的には女性・女系天皇も可能にするべきだ。男子でも女子でも、皇族が誕生することが喜ばしいと思える制度を整えることが大切だ」

議論を続けるべきという主張は同じだけど、書き方で随分とニュアンスが・・・。
所先生、どっちが正しいのですか?

私としては自社の主張とは異なる「女系も可能にすべき」という言葉を削らずに伝えた読売の方が、自社の主張に近い内容を強調して伝えた毎日よりも正確なのでは、と判断した。

この項目に関する評価は、朝日が5、読売が4、産経が3、東京が2、毎日が1だけど、個人的には誤った報道も含んでいる毎日の報道には1点もあげたくない。

●女系の説明

私が希望していた記事なのだが、どの紙も説明してくれなかった。
やはり今更「女系って?」なんて疑問を呈すること自体、何周も遅れをとってしまったのだろうか。
みんな引き分けだから、この項目は削除して30点満点にしても良いところだけど、私が報道に求める記事ではあったので、涙をのんでもらって全紙1にします。

●問題意識

本当は主張があるはずなのに、どの紙もストレートな主張を避けてるかんじ。
記事では頑張って、少し偏向なんかもしちゃってる朝日・読売も、明確な社としての意見は言わず。
東京は記事自体も客観的で、まったく無色透明という感じ。
主張が伝わるのは産経と毎日で、産経の押さえ気味な報道は、やはり正式発表はまだ先という点が大きいのだろう。
抑制された報道姿勢に問題意識が込められている。
毎日は、社説は中立で評価できるともいえる内容だったが、記事が思い切り「改正せよ」と言っている。
なにしろ、早々に改正することこそが皇室女性にプレッシャーを与えないやり方なんだそうな。
まあ、私とは意見が違うけど問題意識は伝わってくるという点は評価してあげてもいい。
それでも、産経5、毎日3、あとの3紙は問題意識が少ないから2、という程度で到底毎日新聞に高評価はあげられない。

●掲載率

多い順に
1位 東京と産経 15.63%
2位 読売と毎日 12.5%
3位 朝日 10%
1位が5、2位が4、3位が3と評価をつける。

●総合得点

今回は評価をつける私自体が「保守化」しているため、このような順序になりました。
こんな順番初めてじゃん?

1位 産経新聞 27点
2位 読売新聞と朝日新聞 21点
ビケ 毎日新聞と東京新聞 17点

1項目ずつ評価して最後の最後まであえて点数は合計しないため、わが東京新聞がビケになっていることに最後まで気づきませんでした。
でも、東京新聞のことだから、数日後に「特報」面でバーンと独自取材記事をぶっ放してくれることでしょう。

☆追加ニュースとして、昨日とはうってかわって首相は今日、「議論は慎重にすべきで今国会成立には拘らない」と発言を翻したそうな。

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