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Apr 26, 2006

保育サービスって

何かにつけて少子化問題が議論されていますが、その中の大きなテーマとして保育園の不足、待機児問題があります。保育園が不足→育児と仕事の両立ができない→産まない、産めないという三段論法が、大きな社会現象である少子化の要因としてどの程度効いているかの見極めは難しいですが、個々の家庭にとっては保育園に入所できるかどうかは一大事。ここ数年都心回帰とやらで大規模マンションがにょきにょき建ったせいなのか、これまでなら確実に入れると見込まれた条件の人が待機となってしまい、某区の保育課窓口に押しかけて大変な騒ぎであったというハナシも聞きました。

 我が家の場合も、近所の保育園は夜間保育実施かつ交通至便で人気が高く、自宅からかなり遠い園に何とか入所できた状況です。近所の園に転園の申請を出し続けてはいるものの、なかなか困難。そんな状況で2人目出産を夏に控え、保育園問題は頭の痛い、かついろいろ考えさせられるテーマです。

 もともと認可園の場合、保育園への入所は行政の措置制度であったのが平成10年の児童福祉法の改正で利用者による選択方式の制度となっています。だからといって、実際利用者が“選択”できるケースは都心部に限ってはまずないでしょう。各家庭の「保育に欠ける」(すごい表現だと思うが・・)状況を点数化し、点数の高い家庭から優先的に入所が認められます。なので、保育所に入所を申請する際には、家族構成や勤務先、勤務状況などに、収入等非常にプライベートなことを記入した書類の提出が必要です。大雑把に言って、求職中よりは有職、外勤、長時間勤務が優先されるのはもちろん、祖父母が遠方かどうか、一人親家庭かなどの要素が検討されます。合理的なようですが、果たしてこのシステムが公平なのかという疑問は、この体系では低得点となる我が家の場合常に頭を離れません。また、自分の家庭の状況を第三者に点数化され、その点数によって望むサービスが得られる、得られないという状況は、自分の欲しいもの、受けたいサービスは自分の手間ひま努力とコストをかければどうにかなると、この消費社会でウン十年刷り込まれ、信じてきた私にとっては、非常に違和感があるものです。保育料が実質無料から最高5~6万円(月額)まで世帯の収入に応じてかなり異なり、保育時間や立地や内容などサービスの質には関係ないというのも不思議な感じがします。

 そもそも行政の保育サービスは福祉であるという考えがベースになっているため、自己選択・自己責任、価格とベネフィットのリンクや匿名性といった私の一般消費者としての常識とは相容れないわけです。しかしながら、保育園をめぐる状況は大きく動きつつあります。東京都が平成17年に策定した「次世代育成支援東京都行動計画」では、都市型保育サービスの充実への取り組みとして、認可保育所の「保育に欠ける」要件の見直しと直接契約制度への転換などが提案されています。要は在宅の子育て家庭も利用できるようにする、ニーズに合わせたサービス提供を競争により促進させるということかと思います。実際、都心部を中心に民間による保育所の新設も相次ぎ、幼保一元化、公設民営化園など新たな形態の保育園も登場しています。交通が便利、教育もしてくれる、時間に融通がきく、親の手間が少ない等のニーズに応える一方で、設備面や人材面での不備を指摘する声も聞かれます。措置制度から契約制度へと転換した介護保険制度で、給付費の増大やサービスの質の問題が指摘されている例が思い出されます。

 規制緩和や小さい政府を目指す現在の社会状況では、従来のように公設の認可園だけが保育サービスを担うことには限界があり、ユーザーニーズの点からも現実的ではないでしょう。そうすると保育の質が保証されない・・というのはよくある議論です。それに対して、ユーザーが唯一できることは、徹底的に選択を行うということです。過渡期であり、かつ絶対的に保育サービスの量が不足する売り手市場の中で、手間もひまパワーも、もしかしたらコストもかかるかもしれませんが、どの保育園に預けるかという選択や入所後のサービスの質に対しても、厳しい眼と発言、行動をしていかないと、と自戒をこめて考えています。

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Apr 25, 2006

千葉7区補選に関する新聞記事比較

正攻法での選挙がきちんと勝利した千葉7区補選。
「小泉劇場から小沢劇場へ」
などと言われているけれども、今回の選挙結果は「格差是正」を明確に訴えた民主党の政策による勝利だと私は思う。
小沢一郎さんが代表就任時に言った「対立軸をつくる」。
これがさっそく選挙の公約に反映された形で、大変選択のしやすかった選挙だったのではないか。
とにかく、民主党支持の私としては、万歳。
嬉しくって嬉しくって、翌日の24日にはさっそく朝日、読売、産経、毎日、東京の5紙を集めて新聞記事比較を行った。

比較内容は「1面での扱い」「社説」「3面、社会面などの独自記事」「掲載率(選挙に関する何らかの記述があったページ数を総ページ数で割る。社説、地方欄は数えない)」の4項目に加えて、同じ日に開票された岩国市・沖縄市・東広島市の市長選についての記事も比較してみた。
評価は5段階評価。
最高点は25点。

●1面での扱い

5紙とも1面トップにこの記事を持ってきており、内容的にもそれほど差はない。
1面トップの記事は概要説明だから、大抵どんなニュースを比較してもそれほど違いはない。
結局、記事の大きさや写真の良し悪しが一番の評価ポイントになったりする。

今回扱いが良いな、と感じたのは意外や意外。民主党のことが大嫌いらしい朝日新聞だ。
大きくこの記事を取り扱い、写真は3枚もある。候補者写真、小沢・菅・鳩山のトロイカ写真、武部・冬柴の負け組会見写真だ。
記事も詳しく、とくに約49%という今回の投票率についての説明がわかりやすい。
昨年の総選挙よりも投票率が下がったことを強調する論調も多い中で、朝日は、補選とは元々投票率が低いものであることを説明し、過去の補選の投票率も例示している。

続いて、写真がぶっちぎり良かったのが毎日。
トロイカ写真、候補者写真の2枚の写真を載せているが、トロイカ写真の3人の顔がいい。
とても良い表情の写真を選んで大きく掲載している。

産経新聞は今回あまり力が入っていない感じがした。
トップは事実説明と小沢さんの会見要旨、トロイカ写真。

東京新聞も、トップ記事は簡素だ。
事実を淡々と伝え文章が少なめ。
写真は候補者の万歳写真。

だが、もっとも不機嫌そうだったのが読売。
トップは自民の敗因分析などが中心だが、文章が少なく写真もない。

朝日と毎日が5点、産経が3点、東京が2点、読売が1点となった。

●社説

ダントツぶっちぎり良かったのが東京新聞の社説。
お題は「あきられた?小泉政治」。
昨年の総選挙を「異様な熱狂」とし、有権者は小泉政治にあきたのかも、としている。
自民党などが「ご祝儀相場だ」と分析しているが、それ以上に小泉政治が問われた補選だった点を指摘し、武部の「最初はグー、サイトーケン」パフォーマンスもそのまま紹介している。
「面白さにこだわる小泉手法に嫌気がさした」
「選挙戦で争われたのは小泉路線そのもの」
「世の中の風向きの変化」
「浮ついた選挙戦より日本のあり方をしっかりと示す政治を求めている。そのことを教えてくれた選挙」
とし、自民党はなぜこんな結果になったのかをしっかり考えろとしている。
溜飲の下がる文章とはこのことで、政治評論家の森田実さんも絶賛している。
http://www.pluto.dti.ne.jp/%7Emor97512/C02608.HTML

他の4紙はさして違いなない。
公正中立に書いているのが産経と毎日だが、毎日が
「この選挙区は農村と都市部が混在しており、全国の縮図」
としているのにたいして産経は今回の結果は
「この選挙区限定」
であることを強調している。
私は「全国の縮図」の方に同意したい。
この選挙区よりもっと都市部ともっと農村部の街があることを考えると、この選挙区の意向がめちゃくちゃ珍しいものであるとは思えない。

朝日、読売もとりたててインパクトのある社説ではないが、気になったのは両紙とも
「対案路線はどうしたのだ」
と言ったようなことを書いている点だ。
小沢さんは、対案路線そのものは否定していない。
ただ、問題はその対案の中身で、単に数字を微修正したような対案ではなく、基本理念の部分での対案を示せと言っている。
小沢さんが対案路線を放棄しているというのは嘘だし、単なる微修正の対案を求めるのであれば、それでは与党にとって都合の良い野党でしかない。

というわけで、本当はもっともっと差をつけたいところだけれども5段階評価なので、
東京が5点、毎日が3点、産経が2点、朝日と読売が1点ということにする。

●独自記事

今回もっとも充実していたのが意外や意外、朝日新聞だ。
これまでいろいろな政治記事で新聞比較をやってきたが、朝日はかなり政権より報道が多く民主党については徹底して厳しかった。
リベラルな顔をしてるくせに翼賛してるから、もともと保守系であることが明白な産経・読売よりももっと問題だ、と私は思っているが、今回の選挙で少しまた軸足をずらしてきているように感じる。
翼賛新聞にもなれない「日和見新聞」と評価してあげよう。
ただし、今回の記事は良かった。
とくに他紙と違ったのは、当選した太田議員のプロフィールを丁寧に説明している点と、出口調査の分析が面白かった点だ。
朝日では、出口調査の結果を、年齢別、男女別に分析している。
その結果は、今回はとくに民主党への女性票が激減したとしている。
民主党に投票した人は40、50代の男性が中心。
若者や女性は自民党に投票した人が多かったそうだ。
民主党が女性から人気がないのはいつものことだが、とくに女性候補の場合が厳しいという。
どーしてだ?
私は今回の太田議員、キャバクラのことをあっさり認めてしかも
「この職業が社会から批判されるいわれはない」
と言った点にすごく感動した。
最高の学歴、最高の経歴を持ったエリートしか議員になれないなんてきまりはどこにもないはずだ。
「誰もがチャレンジして勝ち組を目指せる社会」
なんて言うなら、学歴や経歴で候補者を人選するのもたいがいにする方がいい。

以下、十分にページをとって詳しく伝えているのは東京と毎日。
自民党、民主党それぞれの陣営の話や出口調査、有権者の声など。
質的には近いがやや熱が入っていないように感じるのは産経。
なんとなく、結果に不満がありそうだ。

そして今回の記事に対して全然やる気がないのが読売新聞。
少なくとも社会面のトップに持ってくるべき話題だと思うが、読売お得意の社会面の記事は本当に小さく地味。
この選挙の意味を矮小化し、政府に都合の悪いことを極力書かない読売の悪い癖が出たようだ。

朝日が5点、東京・毎日が4点、産経が3点、読売が1点。

●岩国市長選などの記事

合併に伴ってこの日、あちこちで市長選が行われていたが、自民推薦の候補がことごとく負けているのも今回の特徴だ。
とくに在日米軍に深い関係のある岩国市の市長選は、安倍さんの地元でもあり、安倍さんが応援演説に入った候補者が負け、移転反対派の前市長が支持された。
また、東広島市では、小泉イエスマンの中川秀直さんの息子が落選した。
ここでも安倍さんと中川さんが応援演説をしてたのに。

この記事をどのように扱っているかを見てみると、朝日、東京、毎日はいずれも1面に小さいながらも掲載している。
とくに解説が詳しいのが朝日と東京で、結果を記すだけでなく、これまでの経緯みたいなことを併記している。
1面、2面、社会面で扱っている。
毎日も同様な扱いをしているが、少し記事が小さかった。

これに対して産経は3面に一応簡略に書いてあるのみ。
読売にいたっては2面に岩国のみ。東広島については触れてもいない。

朝日と東京が4点、毎日が3点、産経が2点、読売が1点だ。

●掲載率

千葉7区補選に関する記事の扱いは、
東京新聞 24面中5面に掲載 20.83%
毎日新聞 32面中4面に掲載 12.5%
産経新聞 30面中3面に掲載 10%
朝日と読売 36面中3面に掲載 8.33%
となり、東京が5点、毎日が4点、産経が3点、朝日と読売が2点となった。

●合計

1位 東京新聞 20点
2位 毎日新聞 19点
3位 朝日新聞 17点
4位 産経新聞 13点
ビリ 読売新聞  6点

こういう結果となった。
いつも新聞比較をすると、朝日がダントツビケとなることが多いのだが、今回はよく頑張った。
これまでは民主党をコケにしていた朝日だが、小沢民主は評価するんか?
強そうだから、本当に政権交代しちゃったときにそなえて、また思想転向を始めたのか?朝日は。

新聞記事の比較はこちらから。

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Apr 21, 2006

CIAJフォーラムWG成果発表会

CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)のフォーラムWG成果発表会に参加しました。

CIAJというのは、通信キャリア(NTTやドコモやKDDI)とISP(ヤフーや楽天)とメーカー(NECや松下電器など)が会員になって情報交換、学習会を行うもの。

大学のサークル活動にあたるのがフォーラムWG(ワーキンググループ)
企業単独ではなかなか話しを聞けない大学の先生や研究所の研究者にCIAJの名を借りて講師にお招きしお話を聞いたり先進地域や研究所に見学に行き、自社に持ち帰ってビジネスチャンスにしようという下心も垣間見える。

中には通信キャリアと企業と大学、自治体などと連携してモデル事業を実施するケースもある。
ITが暮らしに与える影響を企業の立場から検証し、海外の状況など業界動向を知ろうという取り組みが13ケース報告された。

基調講演:くらしに活かすITの未来~安全・安心の実現~
講師:清原 慶子氏(東京都・三鷹市長)

生活者の視点からITの与える影響をずっと検証されていて特に情報弱者(お年寄りや障害者)に優しい配慮・施策が印象的でした。三鷹っていいなあ(ジブリの森美術館もあるし)

e-Japan戦略会議、u-Japan戦略会議の委員もされていて情報のバリアフリー、政府の施策のPDACを提言。
とかく政府のプロジェクトは一般企業でいうPDACが為されていないと指摘(拍手)

各WGの報告は、技術的な内容が中心でした。
ブロードバンドの環境が整い、国際的にも安価なインフラをどう使っていくか、各企業・通信業者・自治体が知恵を出し合っているといった報告でした。
当然セキュリティーや使い勝手に対する検証もなされていますが、技術者中心の集まりのせいか専門用語が多くしばし理解にとまどうケースもありました。

日頃電話で、お年寄りや主婦からデジタル機器の使いづらさについて散々相談を受けているので一度コールセンターへの見学会と傍聴を提案しようかと思いました。


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Apr 08, 2006

民主党代表選に関する新聞記事比較(長文御免)

民主党代表選に関する記事、さすがに各紙すごい分量の報道で、5紙(朝日、読売、産経、毎日、東京)を読むのにすごい時間がかかってしまった。
おそらく本一冊分の分量はあったことだろう。
お陰で私は小沢さんのことに大変詳しくなった。

今回の記事評価は、
・1面での扱い
・社説
・総合面、政治面、社会面等の独自取材
・演説・会見の要旨
・他党の反応
・掲載率(少しでも関連記事があったページを全ページ数で割る)
の6項目で、良いと思った順に5点、4点・・・となっていく。
評価の根拠としては、民主党支持の私の意向が加味されるが、報道の質にも最大に注意をはらったつもりである。

●1面での扱い

当然トップ記事でしょうと思いきや、トップ扱いしてない紙が2紙。
朝日新聞と産経新聞だ。
両紙のトップは普天間同意に関する記事になっている。
普天間問題も確かに大切な問題で、市民への大きな裏切りという点で、私は憤りを覚える。
だが、この問題はある意味「水もの」である政治記事に比べ、十分な検証を行った上で改めて特集したって良い問題だ。
第一、知事は反論する見込みであり、知事との交渉が行われる8日を待ってから特集しても良いはずだ。
民主党代表選の記事は、今日の朝刊を逃せばもう取り上げることはできない。

この観点で読んでみたのだが、産経の中身は違った。
右上から順番に重要度を示していると考えればたしかに民主党の記事は2つめの扱いだ。
だが、記事のボリュームや写真の扱い、内容は、大変に力の入ったものだ。
他紙の一面とは一風変わった独自取材記事や記名記事がある。
記名記事の内容が秀逸で、「挙党一致」を強調する他紙の論調とは全く逆で、むしろ「剛腕を磨いていくべきで、自らの個性を殺して和を重視する必要はない」とエールを送っている。
取り上げ方はかなり好意的で、これが産経新聞なのか、と思った。

東京、毎日、読売の三紙は1面トップの扱いで、わりに似通っている。
それぞれ政治部記者の論説文を載せており、毎日と東京は好意的にエールを送っており「壊し屋」という言葉を使っていない。
読売の論説文は辛口。読売としての注文を書いているが、この内容が産経と対照的なのが目を惹いた。
記者の論説文にはそれぞれの意見の特徴があり、好みを含めて採点すれば、東京・毎日と読売には少し差をつけておきたくなる。

問題は民主党大嫌いな朝日新聞だ。
朝日のトップ記事は、ほとんどが普天間問題、付録として民主党という具合に完全に民主党代表戦を軽視しており、文の内容にもなにも新しいものがない。
投げやりな印象を持つ記事で、他紙のように総力取材で一生懸命作った記事にはとても見えない。
経済紙としてのアイデンティティーを色濃く示しているためいつもこの比較からは除外している日経新聞でさえもトップは民主党だったのに。

気に入らないニュースをあまり伝えないのは朝日新聞の特徴だ。
テレビや新聞の「露出率」は支持率に影響を与える。
露出度が高いほど親近感を感じるので、好感度は増していく。
今回もそうだろう。投票の様子や小沢さんの演説を見て、民主党や小沢さんに好感を持った人は多いと思う。
小沢アレルギーがあって民主党にがっかりした人もいるだろうけど、好感を持った人の方が多いと私は思う。
小泉政権を応援するためには、民主党批判をするより取り上げない方が簡単だ。
批判をすれば、その批判が不当、行き過ぎと思われれば逆に批判された対象のイメージがよくなる場合もあるからだ。
朝日はそのあたりでえらく政府に遠慮しているように見える。
何度でも言うが、朝日は内政については小泉支持だ。

1面トップの評価は、
産経 5
毎日・東京 4
読売 3
朝日 1
となった。

●社説

前向きな社説と後向きな社説で分かれた。
メール問題の責任をとって、党として最大の改革を行った民主党を、スタート段階から一方的に批判するような態度はいただけない。
今後の注文も含めた前向きな社説であれば、辛口であっても甘口であっても私は評価したい。

この点で前向きなのが産経と東京。
後向きが朝日、読売、毎日。

とくに驚きは前向きの中でも東京が比較的辛口エールなのに対して、産経は甘口エールな点だ。
これに対して将来の悪い方向ばかり懸念する朝日や、9月まで次の選挙をしないのは悠長などと述べた毎日は一方の側の主張のみを繰り返した意見押し付け系。
朝日・毎日ほどではないにせよ、旧態依然、時代遅れなどと揶揄し強引に自社の持論をもって「こうするべきだ」と注文をつける読売も、論理的ではないと感じた。
私の好みも含めて、産経が5、東京が4、朝日・読売・毎日を1点とする。
毎日新聞の思想分裂は危険。
朝日と同じく右旋回中かもしれない。
ただ、毎日新聞の論説委員には岸井成格という有名な小泉応援団がいて、この人の論調だけは社の見解から浮いている。
岸井成格が書いた社説かもしれない。

●独自取材記事

ここでも光っていたのは産経新聞。
外交や憲法関連、安全保障についてはタカ派思想に偏る産経だが、私が今までに比較で取り上げた問題(内政)については、公平でデータ重視の傾向があり、バランスが良いと思う。
いろんな角度から取材しているが、全体に前向きでユーモアもある文体。
とくに、他紙が掲載していなかった両候補の推薦人一覧や、テレビ報道の様子を書いた記事は興味深い。
産経は、基本的内容の解説になりがちな1面にも工夫がある。
基本内容の説明は少なめで、その分独自取材の特集等を1面から掲載する。

掘り下げて報じたのは東京新聞。
この新聞は社会面の前の2ページを使って毎日「特報」というコーナーを載せる。
旬なニュースを週刊誌的に取り上げ、肩の力を抜いて読める非常に優れたコーナーだ。
また、社会面での街の声の取材がすごい。
多くの人への取材を一覧表にして、コンパクトに述べている。力が入っている。
それと、自民党を壊そうとする小泉さんの後から、「手伝うよ」とブルドーザーに乗って登場する小沢さんの漫画が良かった。

基礎知識の習得には読売新聞が良い。
独自性や面白みには欠けるものの、いつも、割に基本的なことのおさらいから記事を書く傾向があり、包括的にニュースを把握したい人向け。
時事問題の勉強などに新聞を利用する人には、案外良いかもしれない。

以上3紙は客観的な報道に徹していた。
だが、最低だったのは朝日と毎日。
毎日の評価できる点は他紙がやってなかった票読みの事前調査と岩見隆夫さんのコラム。
岩見さんのコラムは中立で、ただ今回の結果により政治が面白くなることを強調している。
その他の記事は岸井の影響下にあったのだろうか。
「演出」「本当にやるのか」「運営に不安」「テレビ番組のはしご」
など否定的、皮肉な言葉が並ぶ。
否定してもいい。
ただ、対案として(笑)肯定的な部分もちゃんと報じて、読者に考えさせるべきではないのか。

朝日はさらにひどい。
なにしろ記事数や記事への力の入れ方が全然なってない。
他紙に比べて極端にあっさりした報道で、内容的にも新しさはなく、手抜き報道と言わざるを得ない。
一つだけ評価できるのは、他紙がやっていない菅さんの動きに関する報道だ。
選挙準備に焦点をあて、両候補を同じ分量で紹介している。
ただ、小沢さんに関してはかなり批判的なのに対し、菅さんが「負けてあげた」と取れるようなエピソードを載せており、あまりにも温度差がある。
トップページで使っている小沢さんの写真よりも政治欄で使っている菅さんの写真のサイズが大きいのも異例な感じだ。
朝日は菅さん応援だったんだろう。

評価は、内容に特色のある産経と東京が5点。
初心者に優しい読売が4点。
誹謗中傷中心の毎日は2点。
やる気もない朝日は1点。

●演説・会見の要旨

一番詳しいのが読売で、投票前に行った演説と、決定後に行った会見(所信表明みたいなの)に加え、記者会見要旨も載せている。5点。
演説要旨と所信表明要旨を載せたのが毎日と産経で3点。
所信表明要旨のみの朝日と東京が2点。

東京と産経は共同通信かなにかの記事を載せているため要旨の内容は一緒。
この要旨は項目別にまとめてあるためわかりやすいが、笑ったのは産経が「外交」を省略しているところ。
総じて肯定的に記事をまとめた産経にとって小沢さんの「中・韓との関係を良くする」外交政策は気に食わなかったのだろう。
逆に朝日は独自取材記事欄などで繰り返しこの外交政策について記述している。ここだけは気に入ったのかもしれない。

●各党の反応

まあどの紙も同じような党首コメントみたいな記事だが、共産・社民の扱いに注目してみた。
全紙を比較している場合には、繰り返し同じ記事が出てくることになるが、普通の人はこんなことはしない。
どれか1紙と日経をとってるとかが普通だろう。
共産・社民は少数政党であるとは言え、やはりそれらの党を支持している国民だっている。
それらの党を全く無視した態度はいかがなものか、と思うのだ。
加えて自民党の焦りについても読みたい。

全部の党の党首の見解を載せているのは東京と毎日。
とくに毎日は自民党の反応についても詳しい。
毎日が5点で東京が4点だ。

産経は与党のみ、読売は自民党のみだ。
自民党の反応についてはそれぞれ一定の記述がある。3点。

そして朝日新聞さんは、なんと首相と安倍さんの言葉だけを載せている。
手抜きもあるが、さては朝日新聞さん。
尊敬する小泉さまの後をしっかり引き継ぐタカ派の安部さんを推奨ですか?
随分と外交理念を曲げなければ難しいようですが。

●掲載率

全紙社説では扱ってるので、今回は社説は数えずに掲載ページを数えた。
地方欄も数えない。
基本的に掲載ページ数を数えるときには1面に載ってる「関連記事を何ページに記載」に基づいて数えている。
自分で全紙面をめくって確認することはやってない。
ただ、私は正直自分で宿敵だと思ってる朝日の動向が実は気になる。
朝日だけ特別に他ページも見てたら、オピニオン欄に元三重県知事の北川正恭さんの論説文が載っていた。
朝日新聞の記事全体の中でもこの意見が最も中立で前向きで良い内容だったのだが、朝日新聞はトップの「関連記事」でこれを紹介していない。
有識者であってもあくまでも「オピニオン」として無視してるのかなあ、と思い、これをカウントするかどうかで悩んだ。
でも、朝日が記事として数えていないこれを一つと数えるとすれば、他の新聞もチェックしなければならないし、じゃあ読者投稿はどうするのだ、ということになる。
だから、0.5と数えることにしたから、朝日は掲載ページ数が4.5となった。
これを全ページ数の36ページで割って掲載率を出した。

結果は、
東京新聞 28.57%
毎日新聞 17.86%
読売新聞 17.5%
朝日と産経 12.5%
となった。

上から順に5、4、3、2点と採点。

●総合得点(30点満点)

1位 東京新聞 25点
2位 産経新聞 23点
3位 読売新聞 19点
4位 毎日新聞 18点
びり 朝日新聞 8点

毎度言い訳してるが、私は政府寄りの考えを持つ人間ではなく、民主党支持者だ。
理由は政治にバランスを求めるからだ。
だから政府が一方の方向にまい進している今などは対抗力を持っている野党第一党を応援する。
「民主党はわかりにくい」
と揶揄する論調はたくさん聞くが、たしかに自民や社民と比較すればその中間に位置する民主党はわかりにくくなる。

だが、わかりやすければいい、白黒はっきりしてればいいというものでは政治はないと思う。
極端に偏ることなくバランスを考えて、景気対策みたいな攻めの部分と弱者保護みたいな守りの部分の両立を目指す政党がいいと思う。
それを目指す党は、現在のところ民主党、国民新党、新党日本の3党だと思う。

この考えに近い新聞は東京新聞で遠い新聞は産経新聞だ。
考えが近く、納得ずくで購読することに決めた東京新聞を私が評価すれば、高得点になるのは当然。
考えが違うのにいつも比較的高得点を記録する産経新聞には、私は敬意を表したいと思う。

はっきり言えるのは、朝日新聞という新聞は社の好みが記事に色濃く反映される新聞であるということだ。
右系の人から批判されるのは当然であろうが、では政府批判したい人は朝日を支持するか、と言えばそうでもない。
社長の息子が大麻で逮捕されたことを18日間も隠していたことからもわかる通り、朝日の公平中立性には大きな疑問符がつくと言わざるを得ない。

過去の民主党の代表選挙のとき、必ず政府筋がもっと大きなニュースをぶっ放して1面トップを奪ってきた。
今日の勝谷さんの日記の表題はそれを皮肉っている。
この戦略に今回乗っかったのは朝日と産経。
ただ産経は形としては乗っかっていても、記事の内容で読者への誠実を果たした。
朝日は完全に乗っかっている。
たぶん朝日自身の意志とも合致したんだろう。

朝日新聞を購読している方、本当に気をつけてください。

【追記】
4月9日付けの東京新聞「筆荒」では、「民主党代表選に何をぶつけてくるだろうと思ったら普天間だった」と断じている。
よくぞ言った。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20060409/col_____hissen__000.shtml

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再任用、再雇用制度-常勤でない働き方

 公務員の再任用制度、再雇用制度ってご存知でしょうか。私は、東京都で非常勤職員として働くようになって初めて知りました。私の配属先の島は、7名中、1名が再任用、1名が再雇用、私含めて2名が非常勤職員です。再任用の方は月16日勤務、再雇用の方は月13日勤務、私ともう一人の非常勤職員は月13日勤務ですから、3名のみが常勤ということになります。

 再任用制度、再雇用制度、非常勤制度については、実際に内部で勤務することがなければ、意識することのない勤務形態ですが、ちゃんと制度化されていて、東京都のホームページでも確認をすることができます。
 まずは、東京都再雇用職員設置要綱をざっと見てみました。再雇用制度が最初にできたのは、昭和60年のようです。報酬だとか勤務日数だとかが細かく決められていますが、第19の「この要綱の実施について必要な事項は、総務部長が定める。」とあり、その後に附則として「この要綱は、平成×年四月一日から施行する。」と毎年、新たに施行されています。ただ、各年度でどの内容が変更されたのか、総務部長が必要事項をどのように定めたかという詳細については、リンクもないので、わかりませんでした。
 次に職員の再任用に関する条例の方もざっと見てみました。再任用制度ができたのは、平成13年のようです。それにしても条例を読むのは本当に骨が折れます。仕方がないことなのですが、改正が入ったり、他の条例や法律を参照する必要があることも多く、根気と総合的に物事を考える力が必要のようです。職員さんからちらっと聞いた内容を組み合わせて、現在の運用内容を簡単に記載すると退職(60歳)→再任用(3年以内の契約更新)→再雇用(~65歳)となっているようです。再任用になるにはそれまでの勤務実績を考慮した選考があるようで、再任用されずに再雇用となるケースもあるようです。それから、イレギュラーなケースかもしれませんが、退職まで3年くらいある職員の方が、親の介護のためにこの3月で退職され、4月から月13日勤務の再雇用として別の部署で働いていますので、そういうケースもあるようです。

 人それぞれにいろいろな事情がありますから、こういった勤務形態があることに関しては、評価できると思います。実際、私も非常勤職員で月13日の雇用契約で満足しています。ただし、うまく運用するためには、勤務する人の考え方、ワークシェアリング的な考え方を職場全体で徹底し、サービス品質を下げない考え方が重要だと思っています。サービス品質を下げずにうまく運用することが可能であれば、企業の雇用確保の面や、子育てや介護で常勤できない人をうまく活用できるのではないかと考えます。

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カフェ放送の試み

大阪で活動している「てれれ」下之坊修子さんをお呼びしてカフェ放送の試みを聞きました。

きっかけは女性セミナーでビデオ制作講座を受けた主婦が、作った作品を皆で鑑賞したところあまりに面白いので
地元のケーブルテレビにテープを持ち込んだのが始まり。

「上司と相談します。」と担当者から回答をもらったが一向に連絡なし。

その後市民とメディアの関わり調査するため仏・オランダに行った際、バーや喫茶店で市民が自作のビデオを見ながら飲んだり食べたりして盛り上がっているの見て、日本でも同じような取り組みができないかと決意。
大阪・京都・神戸の喫茶店や居酒屋を回る。

「なんや分からんけど、おもろいからやってみ。」というオーナーのノリで10軒の居酒屋・喫茶店で月1回のペースで上映会を行う。2003年1月~現在は3軒で2ヶ月に1回のペース
テーマは様々、在日外国人の問題、シングルマザーの問題、HIV問題など

コンドーム特集ではメッセージを書いたコンドームを居酒屋で販売。
大学の先生の目に止まり授業で使われることにもなった。

「現場の雰囲気・空気を読みながら、自分もそのパーツになるライブならではの感覚を大切にしていきたい。」
という彼女の言葉が印象的でした。

「こんな学芸会みたいなビデオ見せやがって!」と怒ったお客もいつしか常連になったり、有機野菜を引き売りしている人が「この活動はスローフードに喩えてスローメディアやな。」と表現したりと地域ならではの情報発信、地元のケーブルテレビ局もやっと1時間の放送枠を取ることになったそうです。

テレビがワンセグのように1人に1台の時代になる傍らで、街頭テレビや歌声喫茶のように感動を一緒に共有する
動きが静かに広がっているのを感じました。

会場にきていた方で、今度上映会をしますのでよかったら来て下さいと宣伝されていました。

日時:4月26日 18:30(開場)19:00~
場所:東京ボランティア市民活動センター
    新宿区神楽河岸1-1 飯田橋セントラルブラザ10階
内容:横浜事件を生きて 制作 ビデオプレス 1990年58分
    上映後、制作者・関係者を交えてのトーク&ディスカッションあり
参加費:500円
申し込み:ビデオアクト上映プロジェクト 03-5621-2229 090-3471-7475 e-mail:jyouei@videoact.jp

市民が活字だけでなくビデオという表現手段を持って情報を発信する時代になり、その動きがインターネットによって更に加速されている現在、やみくもにインターネット放送に走るのではなく顔と顔の見える関係やぬくもりや場の温度を感じながらメディアと付き合っていきたいと思いました。

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Apr 04, 2006

牛肉注意

食品安全委員会の専門委員会のうち、BSE関連を扱っている「プリオン専門調査会」の専門委員半数が辞任したという。

NHKの報道によれば、辞任した6名はいずれも米国牛輸入再開に対して慎重派の先生だったという。
つまり、昨年10月に米国牛の輸入再開を決定した際、12名いるプリオン専門調査会の委員のうち6名が輸入再開には慎重論を持っていたのだから、そういう状態の中で「決定」をしたのであれば、かなり強引な決定だったということになる。
民主主義の原則、多数決にもなってないじゃん。
あのとき、座長の吉川教授は
「最終的には消費者の選択」
と、狂牛病感染の危険を消費者の自己責任にマル投げするような発言をした。

いくらなんでも無責任逃げ発言だなあと思って私も米国牛への不信感を募らせていた。
通常専門家のお墨付きがあれば「安心」するはずだけど、あの言葉を聞いたら逆に不安になったが、やはり「結論ありき」の議論だったわけだ。
専門調査会の運営についても、「政府に都合のよい結論を強引に決めようとしていると感じた」と辞任した品川委員は言っている。
NHKのニュースはこれだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/04/04/d20060404000020.html

格差社会に関する毎日新聞の特集http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/tatenarabi/news/20060403k0000m040022000c.htmlでも似たようなエピソードが載っている。
規制改革・民間解放推進会議の前身である総合規制改革会議の席で、労災保険の民間開放で意見が割れた。
反対派の慶応大学・清家篤教授は、メンバーと考えを一致団結させることを強要され、次期会議に切り替わる段階で委員からも外された。
これも結論ありきの議論だったんだろう。

こういった委員会では往々にして、政府の意向に沿った意見を言う御用学者が選任されるのが通常のようだが今回の食品安全委員会の件は消費者の生命に直接関わる事案なだけに、薄ら寒くなってくるし、こう言ったニュースを私たちは注目すべきだと思う。

「消費者の選択」って言われたって限界がある。
普通に生鮮品の肉として売られている場合には「米国産」と書いてあるものを買わないという選択はできる。
だがそれは表示が偽装でないという前提が守られての話だ。
これが加工食品になろうものならば、まず消費者が自主的に米国産を排除することはできない。
メーカーだって、表示すれば嫌われる米国産ならば、表示の必要のない加工食品で使おうってことになるかもしれない。
実際、食品メーカーやレストランのHPを見ても、積極的に米国産牛の扱いについて記載しているところは少ない。
たとえば
「米国産を使わない」
とはっきり宣言しているゼンショーグループは、トップページにきちんと
「米国産への当社の見解」
を載せている。
米国産牛肉への言及を避けているような企業がどういう考え方を持っているかは想像がつくというものだ。

政府が強引に輸入再開を決めてしまえば、企業は米国産牛肉を使用したって何ら責められることもないわけだから、4月1日からスタートした公益通報者保護の対象にもなりはしない。
すべては消費者の自己責任ということになり、将来発症したとしても原因物が何であるかを立証することは不可能で、渡航歴でもあれば、国の補償も受けられなくなる可能性もある。

とりあえず、今回辞任した6名の先生の名前をよく覚えておいて、米国産牛問題について政府の説明ばかりを信用しないでこの先生たちの意見も参考にするようにしよう。

【今回辞任した6名(米国産牛肉慎重派)】
金子清俊 東京医科大学教授
甲斐知恵子 東京大学医科学研究所教授
北本哲之 東北大学大学院教授
品川森一 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構プリオン病研究センター長
山内一也 財団法人日本生物科学研究所主任研究員
横山隆  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構プリオン病研究センター研究チーム長

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