税調の専業主婦蔑視発言
配偶者控除の見直しに関する政府税調の議事録が話題になっている。
ある委員が「専業主婦がいて子供が多い家庭を大事にする税制が必要」
との主張をした。
これに対して反対派の委員が
「専業主婦は何もやっていない」
「働く女の人は前向きで子供を産む。働かないで家でごろごろしている主婦が子供を産まない」
さらには
「時間のある専業主婦の方が、かえってコンビニ食で済ませている」
などという暴言を吐いたらしいのだ。
議事録はこれ。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/gijiroku/b37kisoa.htm
問題の部分はなかほどにある。
抜粋してみると、このあたりであろう。
少し長いけど、引用する。
議事録は、委員の言葉そのまま忠実に筆記しているらしい。
喋ったままの言葉のようだ。
(ここから議事録)
○ちょっと先ほどの委員は誤解していると思うんです。今、専業主婦であれば子供を産むとは限らなくて、逆に専業主婦で何もしないのが多いんです。子供も産まないで。つまり、人生に前向きかどうかというと、働く女の人は前向きで、子供を産みたいわけ。働かないで家でごろごろしている主婦が、子供を今産まないんです。逆になっているので、先ほどの委員に時代とのずれを少しわかってもらったほうがいいので、つまり、パラサイト・シングルっているけれども、今、パラサイト・ワイフというのができてきた。つまり、変な生命力のない人たちがたくさん生じていて、お金を持ってぶらぶらしているんですよ。消費にはいいかもしれないけれども。
そういうところで、何か政策誘導的なものを作らないと、そういう人は淘汰してもらうなり何なりしてもらわないといけないような、そういう方向性を、あるいは前向きな人にはきちんとした支援をするということを考えないと、ちょっと困るのではないかなという方向に来ているんですよ。その思っている家族が。
○反論していいですか。私が言っているのはそうではなくて、家族というものを大事にして、その中で子供がたくさん生まれて、家族がいい教育をして、そして次代の日本を担うというようなことを考えてもいいではないかと、そういうことですよ。だから、時代が古いとかそういうのではなくて、産まない人の家庭はどうでもいいのですけれども、3人も5人も産んだ人を、どういうように家族として平和が保たれるような税制というのがあり得るのか、ということを考えてもいいではないか。前向きのことを言っているので、別にだめな家族を支援する必要はないと思いますね。
○でも、そうなると、だめな家族も恩恵を受けますよね。
○でも、子供に対する税の支援ということをいろいろ考えるのであれば、子供を産まないでのんべんだらりとしたところは、税の支援は受けられないわけですから。
○この議論で何かありますか。こういう時はあなたの出番だから、何かありますか。
○子供をつくる、つくらないというのは、手当とか金の多寡じゃないんですよね。昔言ったのは、男に魅力がないからだと、これ以外はないんですね。
○また、出てきた、その話が。
○それはいいんです。基本的に結婚しないのが多いからなんです。それはどうにもならないから諦めていますが。
先ほどの委員は意欲のある女性という言い方をしましたけど、働いている女性のほうがちゃんとご飯を作るというデータもあるんです。専業主婦で時間がいっぱいある人こそ、コンビニで買ってきた発泡スチロールで食べさせちゃうというのが多いんです。ただ、託児所をいっぱい作ったから子供を産むかというと、それもまた違うんですよ。駅に保育所があって……、子供は荷物じゃないんだから。
(議事録ここまで)
いかがだろう。
ちなみに委員はこの面々ね。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/meibod.htm
議事録では、発言者の名はなぜか伏せてあり、この中の誰が発言したものかはわからない。
よーく名前を覚えておこう。
しかし、いったい何様のつもりであろうか。
冒頭の専業主婦批判にしても、十把一絡げの決め付け発言。
それに、この人の言う「専業主婦」っていうのはイコール「子どものいない女性」であるらしい。
はしょって専業主婦全体を批判してしまっているからこれは、かなり多くの人を敵にまわしたことであろう。
さらに、この委員たちの発言は、子どものいない夫婦や独身者も見下している。
「だめな家族」
「結婚しないの」
人の生き方を、公の場でここまで徹底的に蔑視する資格がこの人たちにあるのだろうか。
コンビニでご飯を済ませるのは専業主婦が多い、などというデータを出すのであれば、きちんとソースを示すべきであろうし、第一、コンビニで食事を済ませようが手塩にかけた家庭料理を毎日時間をかけて作ろうが、それは、個人の自由だ。
好みの問題であって、優劣はない。
委員たちの口のききかたも不快だ。
なにか、冗談半分のような、茶化したような、乱雑な言葉遣い。
品位がまったく感じられない。
こんな言葉で、庶民にとっては一大事の増税が簡単に決まっていってしまうのだろうか。
納税する国民は、ありがたいお客様なのだぞ。
うちでは、(たぶん)よその家よりも多めにビールなどを消費する。
「唯一の社会貢献」
などと言いながら、毎日大量にビールを飲んでいる。
そうとでも解釈しなければ、ようやっと稼いだお金の何割かを税金で持っていかれる苦しさばかり感じてしまうからだ。
だが、税制調査会の委員たちは(名前が伏せてあるのだから、全員だ。この暴言は委員全体の発言と解釈させてもらう)徴収する対象を貶め、悪し様に表現し、
「だから、こういうのから税を徴収するのは正当な行為だ」
と言いたげだ。
ある生き方(=子どもがいないこと)を非難し、序列をつける考え方。
ひとつの生き方のみを推奨する考え方。
高度成長時代には、専業主婦という生き方を、称えていたのだったよね。
こうした諮問機関の委員は、国民が選挙で選んでいるわけではない。
政府にとって都合の良い意見を言う人たちを選んで集めているという。
せめて、どんな議論の末、政策が決まっていくのか、監視できる部分は監視するべきではないだろうか。

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