命に値段?診療報酬ランク付け
医師の技能に応じて診療報酬がランク付けされるようになるかもしれない。
厚生労働省の諮問機関である中医協が、「現行の一律料金では医者の能力向上を妨げる」
として検討を開始したそうだ。
技術次第で報酬は最大2倍の差が開く。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060725k0000m010129000c.html
ということは病院も美容院みたいになるってことだ。
担当医の技術によって患者負担は左右され、しかも患者側から医師を指名する形が浸透してくるだろう。
人気のある医者には簡単にかかれないようになり、病気になるタイミングによっていつもの先生にかかれなかったり、「指名」のない初診時には見習い医師が出てきたりってことにもなるんだろうか。
診療報酬に2倍の差がつくってことは、貧乏ならば泣く泣くランク下の医師に診てもらうしかなくなる場合もありうる。
ってことは、貧乏でお金が払えなかったばかりに医療事故や診療ミスの起こる確率が高い医師を選ばざるを得ず、そうなったとしても、
「あらかじめランク付けで情報公開はしていた」
とか言い逃れられて、またもや患者の「自己責任」にされるのだろうか。
これが「改革」の成果だよ。
今日本では、改革=善とする風潮が高く、改革に慎重だと「抵抗勢力」なんて言われちゃう。
だけど「改善」も「改悪」も、「改革」と言ってしまえば区別がつかなくなる。
変えることだけが目的になっちゃって、片っ端から改革競争する。
おかげで「改革」という名のもとに、「医療制度改悪」や「障害者(切捨て)支援制度」が生まれ、最後の砦である生活保護制度さえも額を少なくしたり、土地や住宅を担保にする制度が創設されたりしそうな方向だ。
そしてまた、犠牲になるのは弱者だ。
ただでさえ保険料や住民税の負担がどーんと増えて困ってる高齢者や、「自立」の名のもとに普通に生活するためのセーフティネットにさえ「料金」がかかるようになってしまった障害者は今度は医療現場でも格上治療は受けられなくなる可能性が高い。
小さい子どもだってそうだ。
子育て世代(=現役世代)の所得はけして高くない。
今の日本で一番金持ちなのは例外を除けば(普通のサラリーマンとかで考えれば)子育てを終えた50代後半~60代くらいの人たちだ。
小さい子どもを持つ「働き盛り」の30代40代なんかはまだまだ家計が汲々としている。
だけど、貧乏人だって、家族が病気にかかったときに、お金が足りないせいで格下の医師を選択するなんてことは積極的に選択したいはずがない。
最善の選択を施してやれないのならば、子どもを産むのはやめておこう、と思う人々が増えたって仕方がないと思う。
そもそも良い医師には「技術料」を上乗せって考え方ではなく、悪い医師をなくす方に力を注ぐのが先だ。
見習い美容師に失敗されたとしても髪は伸びる。
美容師の場合ならば「今日は前髪をそろえるだけだから見習いさんでもいいや」とか、「今日は気合を入れるからトップスタイリストに頼もう」なんて選択も簡単だが、主治医というのはそうたびたびころころ替えるものではない。
医療の場合には「悪い医師」がいること自体が問題ではないか。
新人医師が経験を積む必要はあるだろうが、それはたとえば手術をベテランと組ませて場数を踏ませるとか、生命に関わりの薄い軽い病気から担当するとか、他にも方法はあるだろう。
新人医師の料金を安くするってのは、弱者を練習台にしようって言ってるようなものだ。
中医協は2008年度の診療報酬改定での導入を意図しているらしい。
それまでにこの新自由主義一直線に歯止めをかけなければ、本当にヤバイことになる。

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