千葉7区補選に関する新聞記事比較
正攻法での選挙がきちんと勝利した千葉7区補選。
「小泉劇場から小沢劇場へ」
などと言われているけれども、今回の選挙結果は「格差是正」を明確に訴えた民主党の政策による勝利だと私は思う。
小沢一郎さんが代表就任時に言った「対立軸をつくる」。
これがさっそく選挙の公約に反映された形で、大変選択のしやすかった選挙だったのではないか。
とにかく、民主党支持の私としては、万歳。
嬉しくって嬉しくって、翌日の24日にはさっそく朝日、読売、産経、毎日、東京の5紙を集めて新聞記事比較を行った。
比較内容は「1面での扱い」「社説」「3面、社会面などの独自記事」「掲載率(選挙に関する何らかの記述があったページ数を総ページ数で割る。社説、地方欄は数えない)」の4項目に加えて、同じ日に開票された岩国市・沖縄市・東広島市の市長選についての記事も比較してみた。
評価は5段階評価。
最高点は25点。
●1面での扱い
5紙とも1面トップにこの記事を持ってきており、内容的にもそれほど差はない。
1面トップの記事は概要説明だから、大抵どんなニュースを比較してもそれほど違いはない。
結局、記事の大きさや写真の良し悪しが一番の評価ポイントになったりする。
今回扱いが良いな、と感じたのは意外や意外。民主党のことが大嫌いらしい朝日新聞だ。
大きくこの記事を取り扱い、写真は3枚もある。候補者写真、小沢・菅・鳩山のトロイカ写真、武部・冬柴の負け組会見写真だ。
記事も詳しく、とくに約49%という今回の投票率についての説明がわかりやすい。
昨年の総選挙よりも投票率が下がったことを強調する論調も多い中で、朝日は、補選とは元々投票率が低いものであることを説明し、過去の補選の投票率も例示している。
続いて、写真がぶっちぎり良かったのが毎日。
トロイカ写真、候補者写真の2枚の写真を載せているが、トロイカ写真の3人の顔がいい。
とても良い表情の写真を選んで大きく掲載している。
産経新聞は今回あまり力が入っていない感じがした。
トップは事実説明と小沢さんの会見要旨、トロイカ写真。
東京新聞も、トップ記事は簡素だ。
事実を淡々と伝え文章が少なめ。
写真は候補者の万歳写真。
だが、もっとも不機嫌そうだったのが読売。
トップは自民の敗因分析などが中心だが、文章が少なく写真もない。
朝日と毎日が5点、産経が3点、東京が2点、読売が1点となった。
●社説
ダントツぶっちぎり良かったのが東京新聞の社説。
お題は「あきられた?小泉政治」。
昨年の総選挙を「異様な熱狂」とし、有権者は小泉政治にあきたのかも、としている。
自民党などが「ご祝儀相場だ」と分析しているが、それ以上に小泉政治が問われた補選だった点を指摘し、武部の「最初はグー、サイトーケン」パフォーマンスもそのまま紹介している。
「面白さにこだわる小泉手法に嫌気がさした」
「選挙戦で争われたのは小泉路線そのもの」
「世の中の風向きの変化」
「浮ついた選挙戦より日本のあり方をしっかりと示す政治を求めている。そのことを教えてくれた選挙」
とし、自民党はなぜこんな結果になったのかをしっかり考えろとしている。
溜飲の下がる文章とはこのことで、政治評論家の森田実さんも絶賛している。
http://www.pluto.dti.ne.jp/%7Emor97512/C02608.HTML
他の4紙はさして違いなない。
公正中立に書いているのが産経と毎日だが、毎日が
「この選挙区は農村と都市部が混在しており、全国の縮図」
としているのにたいして産経は今回の結果は
「この選挙区限定」
であることを強調している。
私は「全国の縮図」の方に同意したい。
この選挙区よりもっと都市部ともっと農村部の街があることを考えると、この選挙区の意向がめちゃくちゃ珍しいものであるとは思えない。
朝日、読売もとりたててインパクトのある社説ではないが、気になったのは両紙とも
「対案路線はどうしたのだ」
と言ったようなことを書いている点だ。
小沢さんは、対案路線そのものは否定していない。
ただ、問題はその対案の中身で、単に数字を微修正したような対案ではなく、基本理念の部分での対案を示せと言っている。
小沢さんが対案路線を放棄しているというのは嘘だし、単なる微修正の対案を求めるのであれば、それでは与党にとって都合の良い野党でしかない。
というわけで、本当はもっともっと差をつけたいところだけれども5段階評価なので、
東京が5点、毎日が3点、産経が2点、朝日と読売が1点ということにする。
●独自記事
今回もっとも充実していたのが意外や意外、朝日新聞だ。
これまでいろいろな政治記事で新聞比較をやってきたが、朝日はかなり政権より報道が多く民主党については徹底して厳しかった。
リベラルな顔をしてるくせに翼賛してるから、もともと保守系であることが明白な産経・読売よりももっと問題だ、と私は思っているが、今回の選挙で少しまた軸足をずらしてきているように感じる。
翼賛新聞にもなれない「日和見新聞」と評価してあげよう。
ただし、今回の記事は良かった。
とくに他紙と違ったのは、当選した太田議員のプロフィールを丁寧に説明している点と、出口調査の分析が面白かった点だ。
朝日では、出口調査の結果を、年齢別、男女別に分析している。
その結果は、今回はとくに民主党への女性票が激減したとしている。
民主党に投票した人は40、50代の男性が中心。
若者や女性は自民党に投票した人が多かったそうだ。
民主党が女性から人気がないのはいつものことだが、とくに女性候補の場合が厳しいという。
どーしてだ?
私は今回の太田議員、キャバクラのことをあっさり認めてしかも
「この職業が社会から批判されるいわれはない」
と言った点にすごく感動した。
最高の学歴、最高の経歴を持ったエリートしか議員になれないなんてきまりはどこにもないはずだ。
「誰もがチャレンジして勝ち組を目指せる社会」
なんて言うなら、学歴や経歴で候補者を人選するのもたいがいにする方がいい。
以下、十分にページをとって詳しく伝えているのは東京と毎日。
自民党、民主党それぞれの陣営の話や出口調査、有権者の声など。
質的には近いがやや熱が入っていないように感じるのは産経。
なんとなく、結果に不満がありそうだ。
そして今回の記事に対して全然やる気がないのが読売新聞。
少なくとも社会面のトップに持ってくるべき話題だと思うが、読売お得意の社会面の記事は本当に小さく地味。
この選挙の意味を矮小化し、政府に都合の悪いことを極力書かない読売の悪い癖が出たようだ。
朝日が5点、東京・毎日が4点、産経が3点、読売が1点。
●岩国市長選などの記事
合併に伴ってこの日、あちこちで市長選が行われていたが、自民推薦の候補がことごとく負けているのも今回の特徴だ。
とくに在日米軍に深い関係のある岩国市の市長選は、安倍さんの地元でもあり、安倍さんが応援演説に入った候補者が負け、移転反対派の前市長が支持された。
また、東広島市では、小泉イエスマンの中川秀直さんの息子が落選した。
ここでも安倍さんと中川さんが応援演説をしてたのに。
この記事をどのように扱っているかを見てみると、朝日、東京、毎日はいずれも1面に小さいながらも掲載している。
とくに解説が詳しいのが朝日と東京で、結果を記すだけでなく、これまでの経緯みたいなことを併記している。
1面、2面、社会面で扱っている。
毎日も同様な扱いをしているが、少し記事が小さかった。
これに対して産経は3面に一応簡略に書いてあるのみ。
読売にいたっては2面に岩国のみ。東広島については触れてもいない。
朝日と東京が4点、毎日が3点、産経が2点、読売が1点だ。
●掲載率
千葉7区補選に関する記事の扱いは、
東京新聞 24面中5面に掲載 20.83%
毎日新聞 32面中4面に掲載 12.5%
産経新聞 30面中3面に掲載 10%
朝日と読売 36面中3面に掲載 8.33%
となり、東京が5点、毎日が4点、産経が3点、朝日と読売が2点となった。
●合計
1位 東京新聞 20点
2位 毎日新聞 19点
3位 朝日新聞 17点
4位 産経新聞 13点
ビリ 読売新聞 6点
こういう結果となった。
いつも新聞比較をすると、朝日がダントツビケとなることが多いのだが、今回はよく頑張った。
これまでは民主党をコケにしていた朝日だが、小沢民主は評価するんか?
強そうだから、本当に政権交代しちゃったときにそなえて、また思想転向を始めたのか?朝日は。
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